日本の古着文化の歴史は古く、室町時代あたりから存在したと言われるが、古着がカッコいいと思われるようになったのは、若者へのROCKミュージックなどの普及で、アメリカの古着が持ち込まれるようになった60年代後半頃からだろう。
その後、80年代後半のヴィンテージデニム・ブームを経て、一般の人にまで古着=カッコいいという感覚が広まり、今では古着と新品を組み合わせてコーディネートすることも、おしゃれ好きの間では当たり前となっている。
今回は、東京で古着を扱う店が多い5地点、「原宿」「渋谷」「下北沢」「高円寺」「吉祥寺」から、その街を代表する10店舗のショップスタッフの着こなしをご紹介する。
東京の古着屋は、戦後まず上野〜御徒町あたりから始まり、それらが80年代後半のヴィンテージデニム・ブームの頃に、こぞって裏原宿へ移転したことから、その周辺へと広がり、「原宿」が今日のような古着屋のメッカとして発展していったらしい。
ちょうど同じ頃、もう1つ、古着屋が広がる要因となった古着屋界のカリスマショップが高円寺に誕生していた。80年代末期、高円寺の片隅で夜中だけひっそりと営業していた「NUDE TRUMP」がそれだ。この店は、その品揃えの良さと安さで評判となり、あっという間に高円寺南口駅近くのビルを丸ごと古着屋にするほどの成功を収めた。これがきっけとなり、高円寺周辺には古着屋が続々と集まり、現在では原宿に次ぐ2番目に古着屋が多い街となっている。
その後NUDE TRUMPは渋谷の神南へ移転して、周辺に系列店も展開。近くに他の古着屋も集まって来たため、この辺り一帯にも古着屋が多くなった。
「下北沢」と「吉祥寺」は、その地域特性から、もともと古着屋が集まりやすい環境にあり、90年代の古着屋ブームの中、その数を増やしていった。
「下北沢」は、街じゅう狭い路地が入り組んでいるため、古くから生地屋や雑貨屋が多く存在し、古着屋が出店しやすい環境にあった。
「吉祥寺」も、西荻窪を含むこの辺り一帯が昔から古道具の街として栄えていたことから、普通にUSED SHOPも多く存在していた。それが徐々におしゃれな古着屋になってきたというだけだろう。現在でもアンティークショップや雑貨屋もかなり多い。
尚、今回撮影に協力していただいた10店舗は、いずれもヴィンテージものを扱う、その地域を代表する人気店。普段の様子を読者に知ってもらうため、何の前触れも無く突然おじゃまして撮影させていただいた。それにも関わらず皆さん快くお引き受けいただき、深く感謝いたします。
This coverage staff : Director "HINE", Photographer"Aya"