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FASHION

コラムVol.45『2016-17 A/W メンズトレンド総括』

 

コンフォートが基本

 

秋冬メンズファッションを振り返ると、全体的にナチュラルでリラックスした「コンフォートスタイル」が多かった印象。トレンドカラーのカーキを入れて、クールになりすぎない、温かみがあるコーディネートに仕上げていた。

 

 

シルエットはビッグサイズ

 

夏の終わり頃には袖が極端に長いぶら袖が次のトレンドだと言われていたが、実際の着用者はごく一部で、特にハイブランドのスタイルには全く波及していなかった。コレクションなどでも取り上げられていたが、実用的でないためショー用のデザインで終わってしまった。しかし、アイテム全体のビックサイズ化は加速している。アウターはジャストサイズより極端に大きいものを選び、なで肩に見えるほど肩を落として着るスタイルが基本。ボトムスもワイドなものを求め、以前よりも急速にシルエットが太くなってきた。

 

 

なで肩にみる男性観

 

現在トレンドのビッグサイズでは、もともと骨格のしっかりした男性でもなで肩で、身体も華奢に見える。ジェンダーレス男子なる言葉も生まれ、テレビでも「りゅうちぇる」や「ゆうたろう」など、中性的なタレントを頻繁に見かける。また、若手俳優やモデルも塩顔人気が高く、世間では男っぽすぎない男が求められているように思う。

 

 

以上のように、最近のファッションスタイルは男女の境界線が曖昧になってきている。そんな今だからこそ、新たに生み出されるファッションもあるのではないかと胸が膨らむ。これからはトレンドアイテムを追うだけでなく、ファッションから社会を読み解きたい。