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CULTURE

「楽しむ勇気」が世界への切符になった日

 

春日部の小中学生チアチームが教えてくれた、日本の“本気”のかたち

 

ファッションを取材していると、「自分らしくあること」がどれほど強いエネルギーを持つかを何度も目撃します。今回、そのエネルギーをダンスで体現したのが、埼玉県春日部市の小中学生チアダンスチーム「POM PUPPYS bright」です。

関東11位から、全国1位へ。
そして世界大会へ——。

そのストーリーは、いまの日本に必要な“文化の力”を教えてくれます。

 

地元の「好き」から生まれたチーム

 

強豪チームが広域からメンバーを集める中、彼女たちは“春日部のダンス好き”が集まった地元密着型チーム。

結成10年。
過去4回の全国大会出場という実績を持ちながらも、2025年春、新体制での再スタート。

しかし秋の関東予選では11位。
結果を求めるあまり、動きは固くなり、全国大会を逃します。

そこで彼女たちが選んだのは、「もっと上手く」ではなく、「なぜ踊るのか」に立ち返ること。

“点数よりも、まず私たちが一番楽しもう。”

この選択が、すべてを変えました。

 

技術を超えた「魂のダンス」

 

2025年11月3日、「JAMfest JAPAN vol.23」。
演技中、苦しい場面で彼女たちは互いの名前を叫び合い、鼓舞し合ったそうです。
それは、採点競技を超えた瞬間でした。技術点では測れない、仲間への信頼と、楽しむ勇気。

その“空気”が審査員の心を動かし、Pom Junior Small B部門で全国1位。
チーム初の世界大会出場権(Bid)を獲得しました。

 

世界最大級の舞台へ

 

彼女たちが挑むのは、世界最大級のダンス選手権、The Dance Summit(2026年5月/米フロリダ)。
出場できるのは、世界各国の予選を勝ち抜いたチームのみ。

春日部から、世界へ。

これは単なるスポーツニュースではありません。
地方都市から世界基準へ挑む、日本のローカル文化の物語です。

 

立ちはだかる「円安」という現実

 

しかし今、彼女たちの前にある壁は、技術ではありません。

円安と物価高。

メンバーの中学3年生にとって、この7人で立つ舞台は最初で最後。けれど渡航費は家計にとって大きな負担となっています。

だからこそ始まったのが、クラウドファンディングと、「1,000人の想いを世界へ」プロジェクト。

>https://pompuppys-kasukabe.github.io/project-world-challenge.html

 

令和版・千羽鶴プロジェクト

 

応援メッセージを集め、それを横断幕に刻み、世界大会の会場へ届ける。
名前は「Bright Wings」。
SNS時代の千羽鶴です。
これは資金支援だけではなく、“想いを可視化する”文化的な挑戦でもあります。

>https://pompuppys-kasukabe.github.io/project-world-challenge.html

 

私たちは日々、東京のストリートでZ世代の「自分らしさ」を取材しています。
そこに共通しているのは、他人と比べるのではなく、「好き」に正直であること。
POM PUPPYS brightの物語も同じです。
勝つために踊るのではなく、楽しむために踊る。
その姿勢が結果を連れてきた。
これは、いまの日本文化が世界に提示できる価値ではないでしょうか。
精密さや管理ではなく、仲間を信じ、楽しむ勇気。
春日部の7人が証明したのは、“文化は地方から世界へ届く”ということ。

 

 

世界大会は2026年5月。
もしこの物語に心が動いたなら、ぜひ彼女たちの「Bright Wings」に参加してみてください。
1,000人の想いが、ディズニーの舞台で羽ばたく日を、私たちも見届けたいと思います。

 

【チーム概要】


チーム名:POM PUPPYS bright(ポンパピーズ・ブライト)
所在地:埼玉県春日部市
メンバー:小学6年生〜中学3年生の7名
モットー:「見ている人を元気に!」

【お問い合わせ先】


POM PUPPYS bright

公式サイト:https://pompuppys-kasukabe.github.io/
Instagram:https://www.instagram.com/pompuppysbright/
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