2018.11.29
ファッションは本質的な機能性を求める時代へ
- Category FASHION
ローンチからわずか1年で、イタリアのフィレンツェで行われる、最大級のメンズファッションブランドの展示会「PITTI」に出展、そして伊勢丹や三越などの大手百貨店が続々と取り扱いを開始するなどして、世界からの注目を集める『D-VEC』。このブランドはフィッシングの「DAIWA」を中心にゴルフやラケットスポーツ、サイクルスポーツを製造・販売するグローブライド株式会社が2017年に発表したファッションブランドである。同年の3月20日~25日で行われた「Amazon Fashion Week 2017」では、ブランドデビューと同時に店内でインスタレーションが行われ、多くの来場者に大きなインパクトを与えたことでも知られる。
フィッシングベスト
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ショーテーマである「HAMONN」 をデザインしたセットアップ |
モノフィラメント糸を 使用した超軽量コート |
2018年10月のファッションウィークでは、見た目にスタイリッシュだけでなく、実用性にも富んだことを表現するかのごとく、赤坂アークヒルズの噴水が設けられた広場を会場に2019春夏コレクションを発表。メッシュ素材のフィッシングベストを同素材のロングスカートに合わせたコーディネートや、モノフィラメント糸を使用した超軽量コートなどが見られ、これまでフィッシングブランドとして知られてきた「DAIWA」の持つ機能性と都会的なデザインが非常に印象的だった。
これまでフィッシングブランドとして知られてきているからこそ、あえて”釣り”のファン層から距離を置き、”釣り”の機能性は残しつつもハイファッションブランドとしてデザインを追求。そうすることで、釣りとは全く関係ない、あるいは興味すらない層を取り入れ、フィッシングブランドから一気にハイファッションブランドへ参入したそうだ。また、現在アウトドアブーム真っ只中にあることから、様々なブランドからスポーツウェアやアウトドアウェアをプロデュースしているが、本質的な機能性を兼ね備えたものは少ない。釣り用品や、ゴルフ、ラケットスポーツ、そしてサイクルスポーツ等、様々な分野で培った圧倒的なノウハウを持つグローブライドだからこそ、機能性に優れかつスタイリッシュなものがつくれたのだと感じる。
この先もまだまだ続くと思われるアウトドアブームだが、これまでスポーツ・アウトドアブランドとして知られているブランドが、普段のウェアにどんなスポーツのエッセンスを持ってくるのか、これまで以上に注目していきたい。これからはどのアウトドアブランドも、本質的な機能性はさることながら、更にデザインに磨きがかかるだろう。
DAIWAのフィッシングベスト×ハイブランドコーディネート
タイキさん(撮影場所:表参道)
ベスト・ジレ: DAIWA ステンカラーコート: Yohji Yamamoto D'URBAN A.A.R タートルカットソー・ハイネック: JOHN LAWRENCE SULLIVAN |
ストリートスナップでも「DAIWA」のフィッシングベストをハイブランドのコートと合わせるルックが見られ、アウトドアブームが、モードなハイブランドのアイテム着用率が高い表参道に浸透しているのが分かる。
D-VEC 2019SSアイテム紹介
春夏を快適に過ごすためのアイテムをご紹介。
雨が多い梅雨の時期でも高度な撥水/防水性でどんなシチュエーションにも対応。
D-VEC Amazon Fashion Week 2019 SS
【style-arena.jp】Street Style 担当
Street Style 編集部
Tokyo Street Style