2018.09.13
Philip Colbert 日本初の個展を開催!
- Category FASHION CULTURE
ロンドンをベースに活躍するマルチアーティスト、Philip Colbert(フィリップ・コルバート)の日本初となる個展が日動画廊にて9月18日(火)まで開催をしている。
日動画廊といえば1928年に創業された日本で最も歴史のある洋画商として知られており、国内外の名だたる作家を取り扱っている。創業九十周年目の2017年には、Andy Warhol(アンディ・ウォーホル)とVikMuniz(ヴィック・ムニーズ)の展覧会を開催し、これまでのクラシカルな画廊というイメージをがらりと変えた。フィリップ・コルバートの個展は、ポップ・アートムーブメントを率いた代表的な人物のウォーホルと、様々な素材を用いた写真による作品を手掛けるヴィック・ムニーズに続くポップ・アート企画であり、現代美術作品を代表するものである。
フィリップの描く多くの作品には目玉焼きの服を着たロブスターが登場するが、これは彼が過去の巨匠たちやその作品と対話することで生まれた、自分の分身とも言えるキャラクターである。
今回この個展では新作約10点を発表。中でも約6mに及ぶ「Dream Hunt Triptych」には笠間日動美術館所蔵の近代絵画のコレクションからフィリップ自身がインスピレーションを得た名画のエッセンスが投影された作品となっており、今回の個展で一番注目したい作品となっている。プリングルズやスマートフォンを持っているピカソの肖像画は、上半身しかなかったものを想像し描いたそうだ。また作品一番右には、日動画廊で初めて東京での個展を開いた、藤田嗣治氏がLOUIS VUITTONのモノグラムのジャケットを羽織っている。そしてその付近には、アンディ・ウォーホールが1974年に来日した際に描いた日動画廊の副社長である長谷川智恵子氏の肖像画があり、見れば見るほど物語性があるように感じる。時間軸を超えて、「現代」という一つのキャンバスの中に全て描くことが、目まぐるしく変化する現代のアートという概念を表しているように思われる。また、過去と現代のアートを融合することで見えてくる新しい芸術というものも同時に楽しめる作品となっている。
また新作のひとつである「Screw Hunt」は美術史の戦争をテーマに、デジタル時代に葛藤しながら生きる我々人間の今日の姿や、ありふれた情報や様々な文化が交差する中での状態を過去と現在を交えながら描いた作品となっている。ところどころにちりばめられた絵文字やFacebookやInstagramの「いいね」がなんともいえない。
一見未完成のようにも感じ取れる、色がところどころ塗られた「Splash Study」では、絵が完成するまでのプロセスを表現。「完成したものだけしか残せない写真とは違うことを表したかった」とフィリップは話す。また、我々は未だ進化する芸術の中の狭間にいるのだということも同時に伝えているのかもしれない。この作品の中でも、ゴッホがNIKEのトレーナーを着ているなど、フィリップのユーモアさが垣間見れた。
フィリップの新作が見られるのは9月18日(火)まで。是非この壮大なアートを自分の目で見てほしい。また、展覧会会場では様々なグッズも同時に販売しているため、作品だけでなくグッズもこの機会に是非ゲットしてほしい。
PHILIP COLBERT NEW PAINTINGS
期間:2018年9月4日(火)~9月18日(火)
時間:平日 10:00~19:00 / 土祝日 11:00~18:00 ※日曜日休廊
会場:日動画廊 本店(東京都中央区銀座5-3-16)
TEL:03-3571-2553
入場料:無料
主催:日動画廊
後援:ブリティッシュ・カウンシル
協力:オリオン株式会社 / LUKE’S LOBSTER銀座店
入り口正面にずらりと並んだ ロブスターのキャラクター |
「Splash Study」
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フィリップが描く ピカソの肖像画の続き |
フォトスポットも充実
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ところどころにちりばめられた 絵文字とSNSのマーク |
adidasを着用するゴッホ
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アンディ・ウォーホールが描いた 長谷川智恵子氏の肖像画 |
PHILIP COLBERT
1979年、スコットランド生まれのロンドン在住。
2004年にファッションレーベル「Rodnik Band」を設立。独学でデザインやパターン作りを習得し、ディズニーやTate、パリのコレット、ピーナッツ、ベビーカーのマクラーレンといった著名ブランドとのコラボレーションや、Sienna Miller、Cara Delevingne、Anna Dello Russo、Lady Gaga、Rita Oraなどのセレブリティの支持をうけ成長。Wearable Art(纏えるアート)としてファッション雑誌などに数多く取り上げられ、現在はアーティスト活動に力を注ぐ。
【style-arena.jp】Street Style 担当
Street Style 編集部
Tokyo Street Style