2017.07.17
コラムVol.58『最近よくみかける“あのリュック”の正体』
- Category FASHION
■そもそもanelloって
街を歩いていると「anello(アネロ)」のマークが付いたリュックをよく見かける、と感じている方も多いのではないだろうか。イタリア語で「年輪」を意味するというanelloは、大阪のバッグ製造卸会社、キャロットカンパニーが14年12月に売り出したユニセックスのバッグである。2005年にanelloをスタートし、14年11月に口金リュックを発売。16年に入りその勢いは加速し、年間でシリーズ合計280万個を出荷している。また、口金リュックによってanelloというブランドを知った人も多いと考え、現在はブランディングを強化。今年7月にはブランドのウェブサイトを立ち上げ、同時に直営オンラインショップも開設。PR活動も本格的にスタートした。
■anelloリュックの魅力
anelloリュックの魅力を探ると、いくつかの斬新な切り口が理由で人気を博したことが分かる。
(1) 機能性が高い
最大の特徴は開閉部が口金タイプで、とても広い点だと言えるだろう。普通のリュックでは死角になりがちなバッグの四隅まで、一目で確認することができる。サイドにあるポケットもペットボトルを差し込めるサイズで、利便性に優れている。
(2) エイジレスで多彩なデザイン
とにかくデザインが豊富。色・柄が多彩で、年齢も選ばない。デザイン的にはゴールドのファスナーだけでなく、全体的にも統一感があり、消費者の満足感も満たしてくれる。
(3) お手頃な価格設定
anelloリュックは 約4,000円でお手頃な価格。機能性やデザインを追求するあまり、高価になってしまってはブームに繋がらない。anelloは常に機能に対して、リーズナブルという点にこだわった商品開発をしている。
■なぜ爆発的に流行ったか
学生からママ世代まで幅広い支持を得ているanello。人気に火がついたもう1つの大きな理由は「口コミ」だ。著名なショッピングサイトの評価レビューを見ても、絶賛の声であふれている。Amazonのレビューでは5段階で4.2と非常に高く、WEARなどのファッションアプリでも多く投稿されていた。また、アジア圏の観光客にも人気が高まっており、SNSの口コミによって、日本よりもanelloの認知度が高いとも言われている。品質が良い日本ブランドとして、アジア圏の観光客がこぞって買っているようだ。更に都市型のファッションビルや駅ビルから郊外型SCまで、幅広い店舗で販売され消費者の目に触れる機会が多い。使用者が多い学生やママ世代が気軽に買いやすい、というのもあるだろう。
今まで「FJALLRAVEN KANKEN(フェールラーベン・カンケン)」や「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」などの海外ブランドが人気を博していたが、消費者にとって「高機能」、「低価格」は現在のキーワードであり、そのニーズにanelloのリュックは応えている。この2点は日本ブランドが負けない強みと言えるかもしれない。
【style-arena.jp】Street Style 担当
Street Style 編集部
Tokyo Street Style