スタイルアリーナは一般財団法人日本ファッション協会が運営しています。

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2017.06.05

コラムVol.54『2017S/Sマストカラー』

  • Category FASHION

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今季注目すべき「イエロー」

 

 今年の春夏物はハッキリした色が目立つな、と感じた方も多いのではないだろうか。今季は赤やピンクなど暖色系カラーがトレンドで、コレクションからの予測だとピンクが流行るとされていた。しかし、実際にストリートを観察してみると、圧倒的に目につくのは断然「イエロー」である。イエローは毎年この時期に出てくる定番の色ではあるが、今年の特徴としてはイエローの中でも様々な色味が出ているということ。グリーナリーと言われるようなグリーンとイエローを混ぜた色や、くすみがかったイエロー、ビビットなイエローなど、カラバリが非常に豊富である。

 

 

なぜ「イエロー」が流行る?

 

 人気の秘密を探ると、イエローは今季のトレンドであるエスニックスタイルに取り入れやすい。アースカラーを用いるエスニックスタイルはイエローと抜群に相性が良いのだ。イエローを使うことで一気に雰囲気が明るくなり、春夏らしいコーディネートを作ることができる。また、80年代テイストの若々しいムードにもぴったりだと言えるだろう。それだけでなく、今季のトレンドである、「ボタニカル」にも合わせやすい。ボタニカル柄はイエローベースに映えるため、ガウンやスカートなどのアイテムに取り入れられている印象だ。また、もともと日本人は肌の色が黄色味がかっている「イエローベース」であり、イエローのメイクやファッションと相性が良いというのも一つの理由としてある。

 

 

カラーに変化の兆し

 

 今季はここ数年継続していたパステルカラーに代わって、発色の良い鮮やかなカラーが注目を浴びたと言える。2017A/Wもその流れを引き継ぐような形で、はっきりとした色合いを使ったルックが印象的である。その中でも今季のストリートでは、今回紹介したイエローをはじめとする、オレンジ、ライムなど柑橘系カラーが目立っていたと言えるだろう。また、それほど多くはないものの、久々にネオンカラーも登場しつつある。ブライトカラーに対抗するように、くすみやにごりのあるムーディーなトーンにもバリエーションが見られ、ニュアンスのあるカラーが主流なようだ。淡いパステルカラー、あるいは暗めのトーンのカラーが圧倒的に多かったここ数年。カラーに変化の兆しが確実に見えてきていると言える。今後のカラーのトレンドの変遷にも注目していきたいものだ。

 

 

 今回は色の話をしてきたが、ここで少し言っておきたいのはトレンドカラーとの付き合い方についてだ。今年の流行だからと言ってトレンドカラーをそのまま取り入れるのは面白くない。その色の中でも自分に合うトーンを見つけ、自分の好きなテイストとミックスして、「色」を楽しむことが大切ではないかと思う。そうすることで個性が生まれ、トレンドを取り入れながらも、自分らしい着こなしができるのではないだろうか。

 

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