山ガールが注目を浴びた2010年頃から、女性用の可愛いアウトドアグッズもたくさん増え、キャンプを楽しむ女性も徐々に増え始めました。
そして2011年頃から女子だけでキャンプを楽しもうとする動きも活発化。スタイルアリーナでも注目して何度も取材を試みましたが、「女子だけ」ということから、個人情報の流出やプライバシーの侵害などにはかなり敏感で、取材も断られつづけました。
その後も、たまに雑誌やテレビなど大きなメディアで、モデルやアウトドア専門ライターなどを使って特集が組まれるものの、一般の女性キャンパーの実態にはなかなかたどりつけないでいました。
2015年頃には、手ブラで豪華なキャンプが楽しめる「グランピング」なども話題となりましたが、それなりに料金がかかり、これも一般人が手軽に行けるものではなく、ストリートファッションのサイトで扱うものではないと感じていました。
ところが2015年、山梨県周辺を舞台に、身の丈に合ったアウトドアライフを満喫する女子高校生たちのゆるやかな日常を描く「ゆるキャン△」という漫画がスタートすると、若年層の間でにわかなヒットとなり、2018年にはアニメ化。そして、2020年テレビ東京で実写ドラマ化され1月10日~3月27日に放映されました。この番組、深夜枠にも関わらず、ザテレビジョン独自リサーチによる視聴熱ランキング(SNSなどでの話題度を元にテレビ番組の流行をランキングにしたもの)では、堂々の1位を獲得するほどの人気番組となっていました。
また、時を同じくしてYouTubeでも、お笑いの「ヒロシです」のヒロシさんが、1人で黙々とキャンプをする動画を配信する「ヒロシちゃんねる」が話題となり、現在フォロワー94.3万人という大人気チャンネルに成長して、キャンプ自体の注目度もかなり高まるとともに、キャンプが素人でも楽しめる、より身近な楽しみとして認知されるに至っています。
ただし、このブームにより家や屋内でキャンプを始める人まで現れ、火災や爆発が起きたり、コロナ渦で人のいなくなった山麓のキャンプ場に熊が出て襲われたりと、危険な面もあることを忘れてはいけません。
そこで今注目されているのが、安価で女子だけでも安全にキャンプ気分が味わえる、オシャレで小規模なコテージやロッジなどの貸スペース。
例えば、今回撮影に利用した「THE GREEN LIFE」では、1泊17,000円で4人まで宿泊可能ですから、4人で行けば1人4,250円程度でアウトドア気分が満喫できます。バーベキューの道具一式や食器類、シャワー、トイレも完備、もちろん屋外にはバーベキュー専用スペースやハンモックなどもありますから、特別に何か道具を用意する必要もありません。
服装も、仲間内のゆるいキャンプならそれほどこだわる必要はありませんよね。好きなスタイルで、ちょっとだけアウトドア風味を加えれば、オシャレなアウトドアライフが楽しめます。
以前のように、上から下まですべてアウトドアブランドで固めるなんてことはかえって野暮かもしれません。もっと「ゆるーく」アウトドアを楽しむのが今のトレンドなのでしょうね。