以前あるヴィンテージショップのオーナーが、「最近は夜の方が個性的でオシャレな人を見かけますよ」と言っていた。そこで、その真相を調査するべく、シリーズで "夜のストリートファッション"を撮影してみることにした。第一弾として、今回は夜の高円寺のストリートを特集する。
高円寺といえば、ミュージシャンや劇団員、若手芸人、アンダーグラウンド・アーティストなどの溜まり場、そして昭和の薫りを色濃く残す街というイメージは、2012年にここで取り上げた時と変わりない。ファッション系のショップでいうと、入れ替わりはあるが、基本的に古着屋が多く、価格帯も原宿や渋谷に比べ安いというのも以前と同じだ。ただし、街行く人の中には、ずいぶん外国人の姿が増え、実際に高円寺に住み着いてしまった外国人も多いと聞く。
今回撮影した人の中には、昔高円寺に住んでいて懐かしくなって来てみたとか、自分のブランドを日本で立ち上げるため来日し、わざわざ高円寺に泊まってここを拠点に活動しているアメリカ人女性もいた。他の繁華街と違って、トレンドのファッションやオシャレな店を見るためにこの街へ来たわけではなく、この街自体が好きで来ている人が多いのだろう。
とはいえ、昼間の高円寺は、他の繁華街と同じようにキレイめのファッションが増え、個性的な人が減った気がする。しかし、夜の高円寺は相変わらず個性的。それぞれに違うスタイルであっても、こだわりがあり、それぞれのオシャレを追求しているようだ。また、そのこだわりも個々のアイテムにこだわるというより、全体の雰囲気を大事にしていることが分かった。