中野は早くから中央線の主要駅として栄え、1931年には丸井がこの地で創業し、本店をオープン。1966年には「中野ブロードウェイ」、1973年には「中野サンプラザ」もオープンするなど、80年代までは普通の商業地区として発展していた。 ところが、バブル景気崩壊後の90年代以降、商店は相次いで閉店し、中野ブロードウェイなどは、まるで空き城のようにシャッター街と化していた。そしてついに2007年、中野の象徴である丸井本店までもが閉店。中野はすっかり活気を失っていた。ただ、その頃にはすでに中野再生への兆しも見え始めていた。1980年に中野ブロードウェイでひっそりオープンしていたマンガの古本屋「まんだらけ」が、なぜか外国人たちの間で評判となり、しだいに外国人観光客の観光スポットとなる。そのうちに評判を聞きつけたマンガオタクたちが集まるようになり、2000年代に入ると、周辺にはマンガの古書やフィギア、メイド喫茶、レンタルショーケースなど、ミニ秋葉原的な盛り上がりを見せるようになっていった。2011年には再び丸井の本店が営業を開始し、現在中野には再び元の活況が戻りつつある。 ファッションについては、もともと丸井のお膝元ということもあり、昔からある程度はおしゃれな人が存在していた。さらにここ数年、古着ファッションの街としてすっかり定着したお隣「高円寺」の影響や、ブロードウェイのオタク文化の影響を受け、中野のファッションにもかなり変革が起きている。 中野ファッションの特徴は、そのこだわりの強さ。スタイルは様々だが、それぞれアクセサリーや小物、メイクに至るまで細部にも力を入れ、例え他人からは見えない部分でも自分のこだわりとして手を抜かないのが中野流だろう。