2019.09.30
各産地で生まれ変わるベンベルグ®︎ | ベンベルグ®ラボ第3講
- Category CULTURE
疑問からはじまる学ぶことの面白さ
<ベンベルグ>ラボ第3講のテーマは「旭化成<ベンベルグ>アウター素材開発について」です。旭化成株式会社独自のファッショントレンド情報やライフスタイル分析をもとに、素材が開発され展示会が開かれるまでの一連のながれを説明していただきました。
本編に入る前に前回の宿題、<ベンベルグ>(一般名称:キュプラ)市場リサーチの結果報告会を行いました。受講生の目には市場に出回る<ベンベルグ>がどのように映ったのでしょうか。下記の報告が寄せられました。
・ 高感度のセレクトショップでは、裏地にほぼキュプラが使われていた。
・ 駅ビルのショップではキュプラを使ったアイテムが少なかった。
・ 寝具、環境対策、資材分野など、ファッション以外にも多くの用途で使用されている。
・ キュプラを用いたマタニティショーツの伸縮性に興味を持った。
・ 服の価格帯によってキュプラとレーヨンでは、用いられかたに違いがあるようだ。など。
最後に産地の学校主宰の宮浦さんが「調査場所も調べ方もさまざまでしたね。新しく知ることで疑問が生まれて、また次の疑問を繰り返していくところに学ぶことの面白さが あるんだと思います。僕自身またいろいろ調べてみたくなりました。」とまとめ、宿題を締めくくりました。
トレンドと産地をつなぐコーディネーターの役割
講義は本編へ。講師は旭化成株式会社繊維マーケティング室チーフコーディネーターの佐藤健二郎さんが担当しました。まずは素材開発をおこなう前段階として、「トレンドはどのようにしてつくられるのか?」を解説。続いて旭化成株式会社が実際に使用している開発マップや旭化成ジェネラルトレンドブックの回覧を行いました。この資料をもとに、コーディネーターの方々が全国の機屋さんを訪問しつつ、ディスカッションを重ねて新しい素材の方向性をまとめていく。そんな産地との取り組みを教えていただきました。
素材のイメージを膨らませるユニークな擬音表現
後半は、「東北・北関東」「北陸」「尾州」「近畿・播州」「備後」で開発した素材を、産地別に学びました。取り寄せた製品サンプルに直接ふれ手触りを確認することで、より感覚的に特長を認識しました。「このプリプリ感がいい」「シャリシャリしてる」「モコモコ具合がすき」など、触感を擬音で表す印象的なワードがしきりに飛び交っていました。
その他、ぬり絵での産地確認や、BbPRESS PAPER 、<ベンベルグ>アウター展などについても紹介していただきました。終始質問が絶えず話題の尽きない講義となりました。
次回からは、自主選択の産地遠征が始まります!
関係者の感想
<産地の学校主宰 宮浦さん>
宿題に対する視点がさまざまで、時代の流れを感じました。また、これまで2回の座学を通して、ラボメンバーが確実に知識をつけているなと実感しました。
モチベーションの高い人たちが集まるとこんなにレベルの高い講義になるのかと驚いています。
<旭化成繊維マーケティング室 佐藤>
皆さんとても真面目に講義を受けてくれました。産地ごとに細かく素材を見比べていたり、全国の素材一覧表を作ってきたメンバーもいて驚きました。
<受講生の声>
産地によって生地に特徴があることを知り勉強になりました。特に桐生のカットジャカードが印象に残りました(飯田さん/会社員)
産地ごとにたくさんの生地を見てさわって違いを感じることができました。カットジャカードが一番印象に残っていて、その断面から職人さんたちの仕事ぶりを想像することができて面白かったです。(日野さん/大学生)
同じ素材同じ混率でも、平織りと綾織りで重さや肌触りが全然違うのに驚きました。(塩野さん/大学生)
ベンベルグ®ラボについて
繊維・アパレル産業に携わる人材の発掘と育成、産地が抱える課題の明確化やプロジェクト支援など、繊維産業の活性化に向けて様々な取り組みを行なっている「産地の学校」。その主宰を務める(株) 糸編・代表の宮浦晋哉氏の活動に感銘を受け、2017 年に旭化成(株)が産地の学校と共同で産学連携プロジェクト<ベンベルグ>ラボを立ち上げました。
産地の学校 http://sanchinogacco.com/
旭化成株式会社 キュプラ ベンベルグ® https://www.asahi-kasei.co.jp/fibers/bemberg/
※ベンベルグ®は旭化成の再生セルロース繊維・キュプラのブランドです。
【style-arena.jp】Street Style 担当
Street Style 編集部
Tokyo Street Style