スタイルアリーナは一般財団法人日本ファッション協会が運営しています。

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2018.01.22

コラムVol.79『Orange is the new Black』

  • Category FASHION

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「ランウェイ発トレンドカラー」

 

 「2017年プレフォールコレクション」で、シャネルが全身“レッド”のスタイリングを提案したことにより、「赤」という色が大変話題となった。全身赤に抵抗があったとしても、赤いバッグやシューズなどの小物をアクセントとして加えることで、赤の存在感を存分に主張した。情熱的な赤は女っぽさを強調するだけでなく、凛々しく力強い印象は、これからの時代を切り開いていく強い女性を表現するのにはぴったりの色だ。今季赤がトレンドカラーであったことは間違いない。しかし、一方でストリートでは気になる色を発見した。

 

 

 

「脱マンネリ」

 

 秋冬という寒い季節。手を伸ばしたくなるのは、ブラウンやブラックなど暗めの色。落ち着いた雰囲気で、誰もが取り入れやすい定番の色だ。しかし逆を言うと、定番は他人とかぶりやすい。ではどうやってファッショニスタ達は差別化をしているのか。そこに登場したのが「オレンジ」だった。オレンジと聞くと暖色で軽いイメージがある。だが、オレンジこそモード感を引き立てる色として、最近注目を集めている。秘密は、意外にもブラックやチャコールグレーなどのダークカラーと相性がいいところにある。目が覚めるような明るいオレンジは、ただ自己主張が激しいのではなく、ブラックの暗さを引き立てる。秋冬の定番色をオレンジがハイセンスな色に変えたのだ。

 

 

 

「モードにきめる」

 

 ストリートの着こなしとしては、シャネルのオールレッドのように全身をオレンジで包むわけではない。ポイントは、“ブラックとのマッチング”にある。オレンジと聞くと、ブラウン系と合わせ、ボヘミアンやレトロ系に走りやすいが、華やかなオレンジをブラックと合わせて“モード”に決めるのが今のストリート流。オレンジがバッグやシューズ、ジャケットの裏地など一部分に加われば、全身がブラックだとしても大胆に存在感を発揮できる。またオレンジは、赤のような攻撃色ではなく、温かいクラシックな雰囲気を持ち合わせている。その為、スタイリングに取り入れやすく、ファッショニスタ達の心を上手くキャッチできたのだ。

 

 

 

 

 紅葉や夕焼けなど、秋冬によく見かける色、オレンジ。そのイメージは、ボヘミアン、エスニック、レトロなど、どこか自然派で土っぽいイメージがある。それを今季、ストリートでは斬新にも、モードというジャンルに落とし込んだ。クラシックで大人の雰囲気を漂わすオレンジは、情熱的で力強い赤よりも“新鮮に感じる色”になった。

 

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