スタイルアリーナは一般財団法人日本ファッション協会が運営しています。

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2016.11.12

"Food Analyst CHIHARU Selection News"
和菓子の歴史と魅力を「日本三大まんじゅう」で味わってみよう!

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 日本は食のレベルが、本当に高い国です。

その理由の一つに、海の幸、山の幸にも恵まれ、更に四季がある立地環境を生かし、また保存性や旨味を大切にする目的もあり、工夫に工夫を重ね、その豊かな食文化を育んできた歴史があるからではないでしょうか。

そんな〝日本人の知恵〟が詰まった「日本の食」が、世界的にも大注目で、海外から訪れる観光客も大きな目的の一つに、やはり「日本の食」を本場で体験したいという声が多数なのは、ご存知の方も多いと思います。

「日本の食」という大きな括りの中でも、今回は“和菓子の歴史と魅力”の一部を取り上げ、皆様に『日本三大まんじゅう』をご紹介します。

 

 さて、日本人の私達にもなじみある和菓子の代表格の一つ、「まんじゅう」というものの歴史を少し紐解いておきます。

もともと「まんじゅう」のルーツとしては、中国で三世紀に三国志でお馴染みの諸葛孔明が戦の際、荒れ狂う川を鎮めるための捧げものとして生み出された物と言われ、肉饅頭から始まったとされています。

日本に「まんじゅう」を伝えたのは、室町時代に中国から帰化した宋の高名な文人‘林和靖’の子孫、‘林浄因’ (りんじょういん)。

日本に伝える際、肉食が許されない僧侶の為に小豆の饅頭が考案され、江戸時代になると「まんじゅう」好きの将軍や大名が数多くいたそうです。

その美味しさは、更に庶民にも広がり、現在、皆さんもおなじみの日本の小豆餡入りの「まんじゅう」が、広く国民に愛されるようになっていきました。

 

そんな歴史を頭の隅に置きながら、『日本三大まんじゅう』を是非一度、試してみては如何でしょうか。

 

 

【 塩瀬総本家 】
( 東京都中央区明石町7-14 ) http://www.shiose.co.jp/

 

 貞和5年(1349年)日本で初めて饅頭を作った「林浄因」が開祖。

冒頭で日本への饅頭伝来の歴史に触れていましたが、まさに日本における饅頭の歴史をスタートさせた店です。

元々は肉饅頭として伝来したものを肉食が許されない僧侶の為に小豆を煮詰め、甘葛の甘みと塩で、見事に引き出した餡を作り、それを皮に包んで蒸しあげ完成。

戦乱の世を生き抜き、660年の時を経て、現在は、35代目当主の川島 一世氏が「志ほせ饅頭」を筆頭に変わらぬ味を伝え続けています。

 

   
 

種類としては、「薯蕷饅頭」(じょうよまんじゅう)
薯蕷とは、 大和芋、山芋、つくね芋の事で、それを饅頭の皮に用いた蒸し
菓子を言う。

 

 

一つ一つ丁寧に押された焼印が見事で美しい。

 

 

 

 

 

 

 

むっちり、しっとりとした皮に上品な甘さの餡が、完璧に一体となり、絶妙なる味わいのハーモニーを生みだしている。

 

【大手饅頭伊部屋】
( 岡山県岡山市北区京橋町8-2 ) http://www.ohtemanjyu.co.jp/

 

 天保8年(1837年)に、岡山城大手門付近で現在の営業地でもある京橋町に初代・伊部屋栄吉が創業。
「大手まんぢゅう」は、その親しみやすい名前と風味豊かな味わいが、大変愛され、備前名物として、創業以来170年以上もの間、現在も5代目当主 大岸豊和氏が、かわらぬ美味しさを届け続けているお店です。

 

 

   

 

種類としては、酒饅頭(さかまんじゅう)
基本製法で作られ、甘酒のコクが餡の甘さと程よく調和したまろやかな味わいが特徴。

 

一つずつ化粧箱に入ったパッケージデザインも可愛らしく、備前名物のとしての風格も感じる。

 

 

「大手まんぢゅう」は、まず、良質な備前米を材料に糀から作り、もち米など加えながら数日をかけて成熟した甘酒を仕上げてから、小麦粉を混合・発酵させて生地を調製。

 

 

調製され、丹念に仕上げられた生地で、北海道産小豆を特製の白双糖で練り上げた漉し餡を薄く包んで蒸しあげた逸品。

 

【柏屋本店】
( 福島県郡山市中町11-8 ) http://www.usukawa.co.jp/

 

 嘉永5年(1852年)、柏屋の初代・本名善兵衛は「病に薬がいるように、健やかな者に心のなごみがいる」との思いから、奥州街道郡山宿の茶屋で、餡がタップリで皮の薄い饅頭を誕生させました。
その美味しさは、瞬く間に人々の心を和ませ、わざわざ遠回りしてでも食べたいと言われる評判の名物饅頭となり、165年経った今でも、その美味しさへの追及の手を休めることなく、5代目当主 本名善兵衛氏が時代に合わせた喜びの提案を続けています。


   
 

種類としては、「利休饅頭」(りきゅうまんじゅう)
十勝産小豆の自家製餡は、〝こしあん〟と〝つぶあん〟の2種類から選べる。

 

〝つぶあん〟は、甘さ控えめで、小豆本来の素朴な風味にふっくらとしたつぶの食感が楽しめる。
 

〝こしあん〟は、上品でなめらか、口溶けのよさとサラッとした甘味が身上。

(―社)日本フードアナリスト協会 認定講師 1級フードアナリスト

齊藤 千晴

Chiharu Saito

日本全国の市町村で食材探しや、世界70都市以上での食べ歩きにより、訪問した飲食店は1万件超。
数多くの食文化大使も務め、TV番組「いきなり!黄金伝説。」の食企画では複数の企画を担当し、情報提供やコメンテーターとして出演中。
その他、月刊誌のライター、コラムの執筆、Webマガジン連載、大手企業へのレシピ提案、ジャパンフードセレクション審査員、イベントトークショーへの出演等、幅広く活動する食の情報の専門家。

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