都内にあるA.P.C.直営店の中でも比較的新しい店舗の吉祥寺店。この地域の幅広い客層に対応するため、静かなロケーションで、居心地がよく、スタッフの気配りが隅々まで行き届く理想的なサイズを選んでいる。これは、A.P.C.の設立者Jean Touitouの意向でもある「お客様との親密なコミュニケーションを大切にしたい」という言葉とも合致している。実際に訪れるお客様も、地元の学生から、昔A.P.C.を着ていたという40代の人まで様々だ。
現代アートのようなインパクトのある入り口を入ると、木製の床と壁に包まれた温もりのある優しい空間にすっと吸い込まれるようだ。
お店の内外装は、フランス人建築家ローラン・ドゥロー監修によるもので、木製パネル、ガラス窓、アンビエントライティングなど、現代的なアクセントが施されたキレイでシンプルなデザイン。特に、多くの商品が並ぶ奥のスペースには、大きなガラス窓から外光が入り、とても気持ちがいい。明るいのでアイテム選びにも最適だろう。
2階へとつづく木製の階段も落ち着いた雰囲気で、用事が無くてもつい上がってみたくなるほど素敵だ。
商品は1階がレディス、2階がメンズに分かれている。それぞれにデニムや雑貨、革小物などが取り揃えられ、靴やベルト、帽子、靴下まで必要な物はほぼ手に入る。A.P.C.といえば控えめな美意識を持つブランドで、どの服もワードローブの基本となる着やすいデザインが特徴だが、最近では機能性に優れたアクセサリーやフットウェアも人気だという。
また、吉祥寺店だけの特典として、ドリンクサービスも行っている。開放感のある広々とした店内なので、気負わずリラックスした状態でお買い物を楽しんで欲しいという気配りの1つでもある。
静かに落ち着いて商品を選びたいという人にはお薦めのショップ。ぜひ休日の午後などに出かけてみてはいかがだろう。
(文・写真/日根野哲也)