奥原宿から奥渋谷へと隠れ家的な場所を選んで独自の世界観をみせてきたMenoが、古着の町「高円寺」へと移転し、リニューアルオープンした。今回移った場所もメインストリートの「パル商店街」から路地を入った少し分かりづらい場所にあるが、それがかえってまたマニア心をくすぐる。
店内もこれまでどおり、古い絵本で見た事のあるような少女の部屋をイメージした異空間。どこから見ても絵になるよう巧妙にディスプレーされているのも以前と変わらない。
高円寺には、Menoに似たコンセプトのヴィンテージやアンティークを扱うショップが数多くあるが、そこにあえて出店したのは、他と比較されてもオリジナリティと完成度の高さで上を行くという自信の表れでもあろう。
「時代の色が映った洋服」という開店当初からの一貫したコンセプトにより、Menoが取り扱うアイテムは大きく3つのタイプに分けられる。
1つは、1800年代後半〜1960年代までのヴィンテージ古着やコスチューム、アンティーク雑貨やアクセサリーなどの貴重な品々。2つめはアンティーク素材を使ったMenoオリジナルのリメイク。そして3つめはコンセプトに同調するクリエイターたちによるオリジナル作品。
ハンドメイドで作られたヴィンテージアイテムも、Menoで手を加えたリメイク品も、クリエイターたちのオリジナル作品も、「世界に1つだけしかない」という点で共通している。
古いモノを大切に、そしてそれをまた新しく生まれ変わらせることで次の時代へとつなげたい。Menoから発信されるコンセプトやアイテムたちには、ずっとそんな願いが込められている。
(文・写真 / 日根野哲也)