「この業界でやっていくには、常に若者達の近くにいることが大切だと思う」というA.P.C.のデザイナーJEAN TOUITOU(ジャン・トゥイトゥ)の想いからオープンした原宿店には、世界中にあるA.P.C.のショップの中でも唯一Undergroundという名前が付けられている。もはや世界を代表するUnderground文化の発信地となっている「原宿」に相応しいショップ名だ。
厚く大きなアルミ製の1枚板にロゴを掘ったという、こだわりの看板の下を降りると、見たこともない不思議な形のショップが現れる。入り口付近には玉砂利が敷き詰められ、和洋折衷と思える雰囲気もある。
ショップの内外装は全世界のA.P.C.のショップを手がけるフランス人建築家LAURENT DEROO(ローラン・ドゥロー)によるもので、インテリアはノルマンディのトーチカをイメージし、半分がドーム型、フロアも少し斜めに傾いている。中に入ると、天井から壁面、フロアまで、ほとんどがウッドで囲まれ、まるですっぽりと木に包まれているかのような空間が広がっている。照明も小窓から差し込む優しい光のようで、温もりと安らぎを感じる。
アイテムは手前がメンズ、奥がレディスのコレクションに分かれているが、その他にも定番デニムや、靴、バッグ、キャンドル、ルームスプレーまで幅広く取り揃えられ、全体でA.P.C.の世界観が表現されている。他の店舗と特別違うアイテムを置いているわけではないというが、「選び抜いた素材の持ち味を活かし、職人的技法を用いたミニマルな服作り」という創設時からの変わらないブランド哲学がここでは内外装にまで息づき、同じアイテムでも、よりいっそう素材の良さや洗練されたスタイリングが浮き立って見える。
原宿Undergroung店は、初めて訪れる人、A.P.C.のことをもっとよく知りたいという人、どちらにもお薦めできるA.P.C.イズムを凝縮したようなショップなのだ。
【ショップ情報】
2015年12月19日(土)、A.P.C.京都が移転に伴いリニューアルオープン。HOMME、FEMMEコレクションの他に定番デニム、キャンドルやキルト等を取り揃え、A.P.C.の世界観をトータルで提案しています。
A.P.C. KYOTO
住所: 京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町10 1F
電話番号: 075-213-6275
営業時間: 11:00 – 20:00
WWW.APCJP.COM
(文・写真/HINE)
2015年12月30日