2018.03.13
コラムVol.85『2017-18 A/W トレンド総括』
- Category FASHION
「つい手を伸ばしたくなるモコモコ」
17-18A/Wストリートを振り返って、最も印象的だったアイテムは「ボアフリース」。昨季も“ドフラミンゴ系女子”というワードが話題になる程、ボアアイテムは多く見掛けた。特徴はボアの目が粗く、ビッグシルエットで目立つデザインのものが主流だった。しかし17-18A/Wでは、目の細かいシンプルなデザインとなって、ハードルが高いアイテムから、誰もが取り入れられる手頃なアイテムに変化。そんな素朴なテキスタイルが、ストリートで広く受け入れられ、パタゴニアのフリースを筆頭に着用率が高まったと言える。
「かるーく、ゆるーく」
冬コーデの主役と言ったら、コート。ストリートでは、ロング丈のゆるいシルエットを多く見掛けた。ビッグシルエットやオーバーサイズブームが続いているが、コートに求められるサイズ感は、ただのビッグサイズではなく、“ゆるさ”である。このゆるさが、トレンドの着こなしと調和し、エレガンスなものへとまとめてくれる。デザインは「ガウンコート」を筆頭に、トレンチコートなど、コートと同布でウエストマークができるロング丈のものが流行した。今後もビッグシルエットやオーバーサイズ人気は続くが、ただ大きいだけではなく、そこに求められるのはスタイリングとのバランスやゆるさ(程よい抜け感)である。
「“目立たない”、それも大事」
陰で17-18A/Wトレンドファッションを支えたブランドは「ユニクロ」。スタイリングの主役になることはなかったが、ソックス、ニット、マフラーなど、部分的に取り入れられていた。これはファッショニスタ達がユニクロの持つ機能性を見極めた結果であると言える。“薄くても温かい=重ね着を楽しめる”という答えを導き出し、着膨れすることなく、寒い冬でも自分に合ったスタイルを貫けるのだ。またユニクロのアイテムは手頃な価格で手に入れることができる為、浮いたお金で違う事、違う物に使える。これはファッションに対して合理的になったと言えるだろう。
17-18A/Wのファッショニスタ達は、スタイリング、防寒対策共に抜かりなかった。“オシャレは我慢”という考えはもう古い。ビッグシルエットやオーバーサイズのトレンドを意識しつつ、温かく快適に過ごす。そんな賢い一面が垣間見えた秋冬ストリートだった。
【style-arena.jp】Street Style 担当
Street Style 編集部
Tokyo Street Style