1999年にBluetooth技術が発明され、当初はAppleのiPodに代表されるようなワイヤレスイヤホンが主流となっていたが、2008年SONYが世界初となるデジタル回路を使用したノイズキャンセリング機能を搭載する一般向けヘッドホンを発表し、同2008年に設立されたヘッドフォンメーカーのBeats社(2013年にApple社が買収)がファッション要素に重きを置いたヘッドフォンで大成功を収めたことで様相が変わってくる。
クラブDJなどは、大音量の音楽が流れている中でも、音が埋もれることなくスムーズにDJプレイできるヘッドホンが必要不可欠なため、このノイズキャンセリング技術は欠かせないものであり、同時にファッションにも敏感。この双方を兼ね備えたヘッドフォンの登場で2010年代にはDJのみならず音楽好きの若者の間でヘッドフォンが人気となり、街中でも目立ち始める。
2017年頃には、おしゃれアイテムとしてヘッドフォンを活用する「ヘッドフォン女子」も増え、コーデの差し色となるカラフルなヘッドフォンや、小顔効果が期待できる大きめのヘッドフォンも人気となっていった。
コロナ禍を挟み、2022年頃からは韓国のアイドルやインフルエンサーたちが、SNSでヘッドフォンを付けたコーデを頻繁に披露するようになったことから、日本でも若年層を中心に人気が再燃している。
今回撮影させていただいた8名でも、音質重視なのはドラムが趣味だというエストニアから来た音楽好き少年1人だけ。音質とデザイン両方重要だと答えたのが3人、残り4人は完全におしゃれアイテムとしてヘッドフォンを付けているようだ。
中には、原宿へ行くならヘッドフォンを付けていくと決め、それに合わせたコーデをしてきた人までいた。
This time story coverage : Photographer : Tetsuya Hineno, Director : Momoka Sakuma