マンガやアニメで見たキャラクターを目の前に再現してみたい。そんな想いはアニメ世代の間では当たり前のことで、近年のコスプレイベントやハロウィーンの異常な盛り上がりを見てもお分かりだろう。
今回ご紹介するアンドロイドを再現したようなファッションも、昔のマルチ メイドロボ(「ToHeart」に登場する作業用アンドロイド)や「攻殻機動隊」の装備などを再現したいという、プラモデルアーティスト 池内啓人さんの想いから生まれたものだ。また、それを見つけ出し、ファッションショーとして企画したHEAVY POPの主催者でありフォトグラファー オチアイレイさんのファッション嗅覚も素晴らしい。
池内さんは、プラモデルを使ってパソコンとその周辺機器を改造した作品『プラモデルによる空想実現化』で文化庁第17回メディア芸術祭優秀賞を受賞した経験もあるプラモデルアートの第一人者。それでも、今回のように動く生身の人間用にパーツを製作するには苦労があったという。例えばウェアラブルデバイスについて、実際の人間では体系も耳の形や顔の形も1人1人違うため、誰が装着してもフィットするようなフレキシブルさが必要だからだ。
とはいえ、できあがったパーツはしっかりしたフィット感で、どれもファッションと一体化した素晴らしい仕上がりだ。
池内啓人 Hiroto Ikeuchi プロフィール
1990年生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科卒業。大学でデザインを学ぶ傍ら、他の時間の大半をプラモデルの制作をして過ごす。2013年「プラモデルによる空想具現化」をテーマに、プラモデルを用いて改造したジオラマを作り、第17回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門優秀賞受賞。
その他、戦車タイプのUSBや、宇宙ステーションのようなデスクトップPC、ファンタジーの世界の女性型アンドロイドをプラモデルを使って再現するヘッドフォンなどを発表。
これまでオーストリアARS ELECTRONICA、フランスFESTIVAL VIA 2014などの他、国内外の展示会に多数出展。