ヘヴィメタルの起源といえば、70年代に活躍したブラック・サバスやレッド・ツェッペリンなどということになるのでしょうが、音楽とファッションが一体となって「ヘヴィメタル」という言葉が使われ出したのは、ジューダス・プリーストの出現あたりが最初でしょう。
その後、パンクの登場により一時低迷していたヘヴィロックが、80年代に息を吹き返し、NMOBHM(New Wave of British Heavy Metal)やL.A.メタルのブームを巻き起こします。
この頃からヘヴィメタルはサタニズム(悪魔崇拝)や黒魔術へ傾倒し、白塗りメイクとゴツい装飾を施した衣裳で過激なパフォーマンスをする「ブラックメタル」と、ハードコア・パンクの要素を取り入れ、ファッションも簡素で、より早いテンポの曲調を特徴とする「スラッシュメタル」の系統に分かれて行きます。
そして80年代後半、このブラックメタルとスラッシュメタル双方の影響化から派生した音楽が、今回ご紹介する「デスメタル」。
デスメタル・ファッションの特徴としては、迷彩柄のパンツにワーク系ブーツまたはスニーカー、上はメタルTシャツというのが定番です。スタイル的には少しダボっとした印象で、腕にはリストバンドをしていることが多い。全体的に色は黒を基調としたものがほとんどですが、それによりメタルTの派手なイラストが浮き立つようにコーディネイトされています。
今回取材したメタルDJイベント「アンジェラナイト」は、オール女性DJという珍しい形態をとり、デスメタル・ファンだけでなく、スラッシュメタル、ブラックメタル、ゴシックメタル、メロディックスピードメタル、メタルコアなど様々なメタル・ファンが集うヘヴィメタルの祭典。メタル・ファッションをしている人は、根っからのメタル音楽好きがほとんどです。
しかしながら、渋谷にあるメタル専門店「BLITZ」では、最近のファッション・トレンドがロックにシフトしている影響で、女子高生やギャル系の人たちもお店を訪れるようになっていると言います。
また、メタルTの絵柄にもトレンドがあり、最近では線の細い緻密なイラストや、蛍光色やビビッド・カラーを多用したメランジュ(それぞれの色が分かるようにミックスしたもの)配色的なものが目立ってきているそうです。
ANGELLA NIGHTの様子はこちらから
This coverage staff : Director "HINE", Photographer"Aya"
2009.10
デスメタル・ファッション
撮影場所 三軒茶屋「DJ bar CHROME」, 撮影日 2009.10.07
クールジャパン系最新トレンドなど今後世界にも影響を与えるかもしれないトレンドの芽となるスタイル