「パーソナルスタイリング」知ってる?
10〜30代女性のファッション意識と傾向を調査
InstagramなどSNSの普及から「どう見られるか」を意識する機会が増えている昨今。自分に似合う服をファッションのプロがトータルコーディネートするパーソナルスタイリングが注目を集めている。今回は、このパーソナルスタイリングに対する認知度をリサーチするとともに、日常のファッションに対する意識をアンケート調査。10〜30代女性の買い物事情や服選びについてリアルな声を紹介する。
パーソナルスタイリングとは?
パーソナルスタイリングとは、個人(=パーソナル)に向けたファッションスタイリングをプロのスタイリストが提供するサービスの総称。ひと昔前は芸能人やセレブリティーに向けたサービスとして知られていたが、「似合う服を知りたい」「いつもと違うスタイルを楽しみたい」「忙しいのでプロに任せたい」といった日常的なファッションの悩みを解決するサービスとして、ここ数年の間に一般ユーザーの利用が徐々に増えている。
最近では、骨格診断やパーソナルカラーなど専門知識を持ったスペシャリストが次々に登場し、「DROBE(ドローブ)」や「airCloset(エアクローゼット)」といったアプリやオンラインから気軽にスタートできるようになったのも人気を後押しした理由だろう。幅広い世代から興味・関心が高まっている次世代型ファッションサービスのひとつと言える。
パーソナルスタイリング、実際の認知度は?
今回の調査でまず注視したのが、パーソナルスタイリングを知っているかどうか。なんとアンケートに協力してくれた10〜30代女性の約6割以上が「知らない」と回答している。「知っている」と回答した少数派のライフスタイルを確認するとアパレル関係に近い仕事をしていることから、日頃からファッションに触れる機会がある人、常に情報をチェックしている人でないと、パーソナルスタイリングというサービスを知るきっかけにつながらないようだ。
ただその一方、パーソナルスタイリングを知った上でサービスを受けてみたいかという質問に関しては、半数以上が「受けてみたい」とプラスの興味を示している。この背景には、日常のコーディネートに対して「いつも悩む」「たまに悩む」という意識があることもアンケートから読み取れる。ファッションは好きだけど着る服について何らかの悩みがあるという具体的な意見を下記にまとめてみた。
・服で体型カバーしたい
・同じ系統の服装ばかりでワンパターンになる
・低身長で似合う服、着たい服が見つからない
・合わせる靴など、足下のコーデに悩む
・同じ色ばかり選んでしまう
・買うブランドに偏りがある
毎日着る服だからこそ出てくる「日常的なファッションの悩み」とリンクして、パーソナルスタイリングに興味あると回答している人もいることから、もっとオシャレになりたい、自分のセンスを磨きたいなど、自分をよりよく見せたいという「ツール」としてパーソナルスタイリングに興味があると予測できる。
ファッションに興味・関心が高い女性の買い物事情
今回のアンケート調査に協力してくれた方の多くに共通しているのは、ファッションに関心が高いことだ。ボトムスと足下の色を合わせる、同じブランドで統一感を出す、小物やアクセサリーで遊ばせる、トレンドのキルティングコートを取り入れるなど、自分なりの知識やこだわりをコーディネートに取り入れている。月にかける洋服代も1〜2万円台が半数以上とそれなりに重視している。ここで面白いのが、このようなオシャレの価値観を持つ方々の特徴として「ファッションを参考にする人はそこまでいないけど、ZOZOTOWNやInstagram、WEARなどから積極的に情報収集して自分に似合う服を知りたい」という視点を持っているということだ。
InstagramやZOZO、WEAR、雑誌からの情報収集は、コーディネートの参考にしたい、とはいえ似合うかどうか分からない不確定な要素や限られた予算があるため、参考にはするけど実際のコーディネートまでには落とし込みにくいことがアンケート調査からも読み取れる。
また、洋服を購入する際は「1人」「複数」それぞれ半数程度で回答が出ている。それぞれの意見は以下の通りだ。
【一人で買い物派】
・一人でゆっくり見たい
・周りに気を使わず自分のペースで買い物したい
・好きなブランドが友人と違う
・買い物で悩む時間に付き合わせるのが申し訳ない
・友人と行くと決まらない
【複数人で買い物派】
・決まった友人と買い物に行く
・自分に似合うものを親や友人に見てほしい
・迷ったら友人に聞きたい
・一人では決められないから家族と行く
買い物はマイペースがいいという「一人で買い物派」と第三者の評価や意見を参考にしたい「複数人で買い物派」、ここは個々の性格やライフスタイルによって異なるといえる。
パーソナルスタイリングから見える接客のヒント
パーソナルスタイリングに対する関心度が高いことはアンケートから見えたが、同じスタイリング提案でも店舗接客になるとその意識も変わる。今回のアンケートでは、店内試着に抵抗あるかどうかを質問したところ半数以上が「抵抗ある」または「たまに抵抗ある」と回答しているのがリアルな答えだろう。
試着や接客をされたら「そのまま買わなければならない」「買いたくないのに言い難い」「売られそう」といった印象を受ける反面、自分ごとに落とし込めるパーソナルスタイリングは受けたいと感じている……この感覚は、今後の店舗やオンラインにおける「接客」のヒントに繋がるのではないだろうか。
まとめ
パーソナルスタイリングに関する調査から、買い物事情やファッションに対する意識が見えてきた今回のアンケート。リアルクローズを楽しみたいという女性の声として、ぜひ参考にしてほしい。