2019.07.05
夏季和服 造型秀2019
- Category FASHION
共立女子大学地域連携プロジェクト 2019 夏着物スタイリングショー
共立女子大学・共立女子短期大学が地域連携・産学連携プロジェクトとして、神田明神や繊維商社らの協力を得て毎年開催しているスタイリングショー。
学内で始まった共立ユカタdayが、第3回目の2016年から「浴衣スタイリングショー」として発展し、今年からは、夏イベントの定番アイテムとなった浴衣を、さらに様々なシーンで着物ファッションとして楽しんでもらいたいとの願いから「夏着物スタイリングショー」と名を改めての開催となった。
今回は、学生たちが共立女子大学のある地域を古くから守ってきた「神田明神」の意匠や歴史からインスピレーションを受けてデザイン。豊島株式会社・帝人フロンティア株式会社の協力により提供してもらった生地を断裁・縫製。そして、完成した21点の着物を自らがモデルとなってお披露目した。
また、今回は単なるファッションショーに終わらず、「女子学生から見た夏着物への意識調査」として、浴衣についてのアンケート結果の分析も行い事前に報告。このスタイリングショーに学校の取組らしい深みも加えた。
その内容を少しご紹介しよう。
■着物についてのイメージ
プラス面で、「美しく見える」「気分が上がる」「特別感が味わえる」「華やか」「伝統がある」、マイナス面で「動きづらい」「着崩れしやすい」「着方がわからない」「着るのがたいへん」「値段が高い」「決まりが多い」といった意見が多かったようだ。
■価格について
ネット販売では3,490円〜173,900円までと幅があり、店舗販売では量販店とブランド店の差はあれ、それぞれの店舗で価格帯の幅はさほどない事が分かる。また、その価格差は、良質な天然繊維や機能改良された化学繊維の使用、伝統技法による染めなどから生まれるものだろうと考察している。
■着物の着方について
40%は和装と見なされるが、60%は和装ではないと指摘。その分類については、着物と帯は着崩さず、巾着や下駄などの和小物を組み合わせているのが和装、帯にレースを付けたりベルトに替えたり、かごバックやクラッチバックを組み合わせ、靴下を履いたり、帽子を被ったりするのは和装では無いと判断している。
■総 括
正統・伝統を重んじながらもルールにとらわれない自分だけの「カタチ」の着物で、それぞれのファッションを楽しむことが、今後の着物の可能性を広げるのではないか。
着物は、これまでのイベント着から、これからは一種のワンピースのように捉え、それに合わせる洋服同様にコーディネートしてゆくことで未来が開ける。
個人的には、今回足下にも注目してみた。着物は足下の靴下や履き物を変えるだけで、伝統的な和装からハイカラなモダン着へと印象ががらっと変わる。
「オシャレは足下から」と言うが、着物においてもそれは同じ事。新たな着物の着こなし提案においても、裾丈の長さや、靴下、履き物などを変え、トータルバランスでファッションを捉えていた。学生の皆さんもちゃんとそれを把握していたようだ。
【style-arena.jp】Street Style 担当
Tokyo Street Style