2019.06.17
小西麗のあれが好き ~デニム~
- Category FASHION LIFESTYLE
春夏になると恋しくなるものの1つに、デニムがある。
ハリのある肌触りがタイツを脱いだ足に気持ちがいい。デニムって、冬にはちょっと風通しが良すぎるし、夏にはちょっと生地が分厚い気がする。ざっくりとしたデニムを、雰囲気ごと纏えるのはやっぱりこの季節だ。
とは言ってみたものの、正直、わたしはデニムパンツがあんまり得意じゃなかった。骨格がしっかりしていて、顔も男っぽいから、なんだか過度にメンズライクになってしまう。Tシャツにジーンズという鉄板コーデも、衣装として着ることは多かったけど、自分のためにはあまり選ばない。なんか、味気ないのだ。ハマっているかもしれないけど、心の底から「自分らしい」とは思えない。わたしはデニムを自分らしく着こなすのが得意じゃなかった。
だけど、マーガレットハウエルとリーバイス、Wネームのジーンズを手に入れて、はじめて楽な気持ちでデニムを着られるようになった。すごいギミックのあるパンツではないけど、しっくりきた。シンプルなストレートのシルエットに、濃いデニムカラーとロールアップが気に入った。パンツって、ぴったりのサイズをみつけるのがスカートよりも難しい。ウェスト、ヒップ、股上のフィット感とか、座った時の足首の見え方とか、チェック項目が増えるから。
いざワードローブに追加すると、デニムってすごく便利だった。前回の柄コラムで語ったとおり、わたしは柄モノが大好きだ。デニムって、そういう派手なアイテムを日常になじませてくれる。ゼロベースのアイテムだと思えるデニムが一本あるととても心強い。
最近、ひさしぶりに「欲しい!」と思ったデニムがあった。それはジーンズじゃなくて、フレアのロングスカートとスリーブがふりふりのブラウスという、ガーリーな組み合わせ。セットアップじゃないけど、ばっちりワンピースみたい。撮影で着せてもらって、思わず買い上げてしまった。
これが自分らしいのかって言われたら、うーん。ちょっと悩みどころではある。ちがうかも。ちょっと可愛すぎて照れるかも。でも、デニムだから、素直にふりふりを着られるのかも。デニムはわたしをいつもより少しだけ正直にしてくれる。
モデル・ライター
Urara Konishi
ファッションモデルを経て、編集・ライター。三度の飯とブロマンスが好き。趣味はシール集めと模様替え。共著に『何処に行っても犬に吠えられる〈ゼロ〉』(百万年書房)、モデルから企画・編集を手がけたZINE『溶けかけのアイスクリームロマンス』。コンタクトはSNSアカウント記載のメールアドレス、もしくはアトリエMIRAIへ⇩